みんなどう過ごしたい?図書館、公民館で体験Dayを開催しました
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【文化ゾーン見える化通信vol.3】
みんなどう過ごしたい? これからの図書館、公民館を考える体験Dayを開催しました
2026年8月1日(土)15:00~17:00 長岡京市立図書館3階大会議室、講座室
本イベントは、Voice NAGAOKAKYOで寄せられた市民の声を踏まえ、これからの図書館、公民館のあり方を体験的に考えるために実施したものです。
第1部 トークイベント
この日のゲストは、全国で「リノベーションまちづくり」を手がける水上幸子(みずかみ・さちこ)さんと、茨木市文化・子育て複合施設おにクルの担当職員・向田明弘(むこた・あきひろ)さんのお二人です。「小さく試して大きく育てる——私たちとまちの新しい関係」をテーマに、約1時間お話しいただきました。

水上さんの話の出発点は、時代の変化への問いかけでした。戦後のまちづくりは「建てれば賑わう」という発想で動いてきました。しかし人口が減り、モノにあふれた今、同じやり方が通じないのは明らかです。では何がまちを動かすのか。水上さんは「そこに関わる人の熱意と行動だ」と言います。
「街の魅力は、そこにいる人の魅力に尽きます。好きなこと、大事にしていること、皆さんが隠し持っているものが、街を豊かにする一番の力です」
その一例として、一人の小さな取組が周囲へ広がり、まち全体の魅力につながった事例も紹介され、「まず小さく試しながら育てていくこと」の大切さについて学びました。

向田さんからは、おにクルの整備にあたり、市民とのワークショップや体験を重ねながら施設づくりを進めてきた経過をご紹介いただきました。
「考えて試して、また考える。これを立てる前も後も、ずっと続けています。建てただけでは終わらないんです」
という言葉が印象的で、建物を整備することが目的ではなく、市民とともに施設を育て続けていくことの大切さを学びました。
今では年間200万人以上が訪れ、700件を超えるイベントが開かれているおにクルです。

第2部 体験タイム
講演会のあとは、大会議室と講座室の2つのスペースを使って体験タイムを実施しました。Voice NAGAOKAKYOに寄せられた声の中には、「おしゃべりできる場所がほしい」「ゲームや遊びを楽しめる場所があれば」という声もありました。今回はそうした声を、実際に試してみた2時間です。
■大会議室でのおしゃべりタイム

大会議室では、八条ヶ池と長岡天満宮の緑を望みながら、参加者とゲストがそれぞれ輪になっておしゃべりを楽しみました。ゲストを囲む輪、市民同士の輪、そして特定のグループに属さずひとり景色を眺めている方も。「全員が同じプログラムに参加する」のではなく、その場に「いる」だけでよい空間が自然に生まれていました。それぞれが自分らしい過ごし方を選び、思い思いの時間を過ごす様子が見られました。
「普段、図書館でこんなふうにおしゃべりできるとは思っていなかった」——そんな声が聞かれたのも、この時間のことです。空間の使い方ひとつで、こんなに雰囲気が変わるのかと感じました。
■講座室での体験コーナー
隣の講座室では、近畿大学専任講師の井上奈智(いのうえ・なち)さんの進行のもと、カードゲーム、レトロゲーム、投扇興(とうせんきょう)の3つのエリアを設けました。どのコーナーも予約不要、出入り自由です。
近年、ゲームを館内に置いて自由に遊べるようにする図書館が全国で増えています。ゲームには世代を問わず人を引き寄せる力があり、「ゲームをきっかけに図書館に来た」「ゲームで知り合った人とまた来るようになった」という声も各地で聞かれます。今回の体験コーナーも、そんな事例を参考にしながら企画しました。
カードゲームコーナー

数字を言葉のヒントで表現し合う協力型のゲーム「ito」に挑戦しました。初対面同士でも自然と笑顔や会話が生まれ、子どもから大人まで世代を超えて交流する姿が見られました。
ゲームは遊ぶことだけが目的ではなく、人と人が自然につながるきっかけとなり、会話が得意な人もそうでない人も、それぞれが無理なく同じ空間で過ごせることを確認する機会となりました。
レトロゲームコーナー

「昔やっていたよ」と目を輝かせる保護者と、初めて触れる子どもが横に並んで画面を見つめていました。「1人5分まで」のルールを守りながら、譲り合って遊ぶ姿がありました。教える側と教わる側が世代を超えて自然に入れ替わり、ゲームをきっかけに世代間交流が生まれる様子が見られました。
投扇興コーナー

ほとんどの方が初体験。扇子を放す力加減が難しく、成功するたびに歓声が上がり、失敗しても「惜しい!」「もう一回!」と声が飛び交いました。「みんなが初めて」という共通の体験が、世代や立場を超えた交流を生み出していました。
■今回見えてきたこと
景色を眺めながら過ごす人、ゲームを楽しむ人、ゲストと話し込む人など、それぞれ異なる過ごし方をしていても、お互いを尊重しながら同じ空間で自然に過ごす様子が見られました。
また、初対面同士がゲームをきっかけに交流したり、自由に会話を楽しんだりする姿も見られ、「何かをしなければいけない場」ではなく、「ただそこにいてよい場」があることで、多様な過ごし方が同じ空間の中で共存できる可能性を確認することができました。
今回の体験Dayを通じて、図書館は「静かに本を読む場所」という役割だけではなく、多様な過ごし方を受け止める公共空間としての可能性があることを改めて感じる機会となりました。


■今後に向けて
今回のイベントは、新しい図書館や中央公民館の完成形をお示しするものではなく、市民の皆さんに新しい過ごし方を体験していただき、その気付きやご意見を今後の文化ゾーンリノベーションに生かしていくために開催しました。
今回の体験Dayでいただいたご意見や、イベントを通じて見えてきたことを整理・分析し、文化ゾーンリノベーション基本計画の検討へ反映していきます。
今後も、市民の皆さんと対話を重ねながら、長岡京市らしい図書館・中央公民館のあり方を検討していきます。